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セキュア・フィット・アダプター RMCE-TW1

お気に入りのイヤホンをワイヤレス化する純正アダプター

 私のお気に入り、シュアの「SE535」は有線のイヤホンである。

 いまどき、なぜ有線イヤホン? と思う人も多いと思う。でも、アスキーの読者なら、「うんうん、音質優先するなら有線だよね」と思ってくれる人も多いに違いない。

 ワイヤレスイヤホンに慣れ切ったいま、あえて有線イヤホンを使ってみると意外に有線もいいものだ。ワイヤレスより圧倒的にロスが少ない優れた音質。収納時にコードを巻き取る懐かしい感触。懐かしのタッチノイズ。選択的レガシー。趣味性の追求。「いまどき有線?」と誰かに思われても構わない。あえて選んでいるのだから。

 ……などと強がってみたところで、やっぱり便利なものは便利。ワイヤレスイヤホンはめちゃくちゃ便利。だってケーブルがないんだもの。カバンや服のボタンに引っかかることもない。ポケットの中でケーブルが絡まってしまうこともない。音が有線に劣るかもしれない。バッテリーの充電が面倒かもしれない。しかしそれを補って余りある利便性の高さが、ワイヤレスイヤホンにはある。ワイヤレスイヤホンは素晴らしい発明だ。

有線というところも含めて、とてもお気に入りのSE535だが、やはりワイヤレスは便利だ

 だが私のSE535はあくまでも有線。ワイヤレスじゃない。じゃあ、その有線イヤホンであるSE535をワイヤレス化できるアイテムがあるとしたら? それは試してみたい。試してみない理由がない。

セキュア・フィット・アダプター RMCE-TW1●シュア実売価格 2万4000円前後

 そんなわけで購入したのが「RMCE-TW1」である。ヨドバシカメラの店内でウロウロと1時間以上は迷い、視聴させてもらったり、「また買うときに声かけさせてもらいます」などと言って、いったんは売り場を離れ、無駄に買う予定のないテレビコーナーに移動して75型テレビを見たり、美顔器の価格に驚いたりしつつ、最終的に結局買って店を出ると、もはや日が暮れて夜になっていた。いよいよ残暑が消えていくのが、すこし名残惜しいような気持ちのする夏の終わりだった。

 シュアのSEシリーズ/IONICシリーズのイヤホンは、ハウジングからケーブルがMMCX端子で接続されていて、取り外せるようになっている。RMCE-TW1は、ハウジング側のMMCX端子に接続することで、SEシリーズ/IONICシリーズをワイヤレス化できるというアイテムだ。

 使い方はカンタン。前述のように、手持ちのSEシリーズ/IONICシリーズのMMCX端子に接続するだけ。あとはスマートフォンやタブレットとペアリングして使うだけ。

SEシリーズ、IONICシリーズはMMCX端子で、ケーブルとハウジングが着脱する。使い方はハウジング側に装着するだけと、カンタンだ

プロユースを想定した頑丈で確実性の高い設計

 ケースの頑丈さもRMCE-TW1の特徴のひとつ。ワイヤレスイヤホンのケースは、一般的には硬質な樹脂製で、マグネットやツメで固定された蓋がパカっと開くようになっていることが多い。RMCE-TW1のケースは少し変わっている。半硬質の樹脂でできた円形で、ジッパーで開閉するという仕組みだ。

シュアのワイヤレスアダプターで始める快適高音質生活

 直径は実寸でおよそ102mm。小ぶりなどら焼きくらいの大きさで、ワイヤレスイヤホンのケースとしては、やや大きめだろう。イヤホンをケースに収める際も、フック部分を押し込むようにする必要があり、片手では出し入れができない(頑張ればできないわけじゃないが、しにくい)し、デイリーユースにおける使用感という意味では、すごく快適というわけではない。

反硬質のプラスチック製のケース。ジッパーでしっかりと閉じるので、不意に開くことはない

 しかしそこがメリットでもある。ジッパーで硬く閉じられており、しっかりとフックをケースに押し込むからこそ、カバンの中に雑に入れても、意図せずに中身が出てきてしまうことは絶対にない。

 ワイヤレスイヤホンのケースにおいて、片手で出し入れができることと、中身が確実に保護されることの、どちらが重要だろう。その答えはユーザーによって変わるのかもしれない。しかし私にとっては、後者だ。多少雑に扱っても問題がないヘビーデューティー設計。そもそもプロユースが中心だった、現場での堅牢性を強く意識したメーカーならではの配慮、思想、DNAを感じずにはいられない。

フックの部分を、ケースの溝にグッと押し込んで収納する。インジケーターは、充電状態を示している。点灯状態が充電中で、充電が完了すると消灯する

 気になる音質の方はというと、こちらも素晴らしい。対応コーデックはaptX、AAC、SBCで、aptX HDには対応していないものの、有線で聴いているときと、あまり変化がない。正確に言えば、超高域の減衰を感じないこともないが、屋外で、雑踏の中で音楽を聴いている分には、ほとんど気にならない。ささいな音質の変化にとどまっているのは、優れたチューニングの現れだろう。

 装着方法は、フックを耳の裏から回す「シュアがけ」だが、フックの形状が固定されている分、標準のケーブルよりも装着しやすいように感じた。

 操作性も一風変わっている。ワイヤレスイヤホンはケースから出すと、自動的にペアリング済みのデバイスと接続される仕様が一般的だが、本機の場合、かならず電源の長押しで電源を入れなくてはならない。それも左右両方だ。

ケース背面のボタンを押すと、ケースの充電残量が白LEDのインジケーターで表示される

 ここも日常利用という意味では弱点になり得るが、同時に大きな長所でもあると思う。まず、意図せずに電源が入ってしまい、知らないあいだにバッテリーを消耗してしまうことが起こり得ない。また、ペアリング時にはかならず電源を入れるという動作を挟むので、いま現在、電源が入っているのか、デバイスと接続状態なのかどうかを、常に意識しながら使うことになる。「確実性がある」とでも形容できるだろうか。

第2世代モデルの「RMCE-TW2」にも注目

 お気に入りのSE535が無改造でワイヤレス化でき、音質面も犠牲にせず、利便性が格段に向上したRMCE-TW1は、私にとって今年買った神アイテムだ。

 ボタンの2度押しで外音を取り込むモードにも移行できるのだが、これも密閉性の高い=脱着にひと手間かかる同社のイヤホンの特性を最大限活かしながら、ナチュラルに環境音を聴ける優れた仕様。

 まとめれば、RMCE-TW1は、シュアのイヤホンの大きな魅力である操作面での信頼性や音質のよさといった部分を犠牲にしないままでのワイヤレス化を実現するために、メーカー自身が最大限の工夫を盛り込んだアイテムと言える。そこに由来して、多くのワイヤレスイヤホンとは異なる部分が多々あり、それは時に手間にもなり得るが、長所でもある。また、着脱によってすぐに有線に移行できるため、ケーブルを常に持ち歩いておき、バッテリーが切れれば有線に切り替えるという使い方もできる。

 ところが! 思い切ってRMCE-TW1を購入してすぐ、2世代目のモデルとなるRMCE-TW2が発表され、2021年の9月から販売が開始された。本体のデザインやケースの仕様、コーデックなど、本稿で紹介したような基本的な使用感は変わらないが、IPX4等級の防水に対応し、ステレオでの通話に対応(RMCE-TW1はモノラル通話のみ)しているなど、いくつかの改良が加えられている。

 いまは、RMCE-TW1を売却してRMCE-TW2に買い替えることを視野に入れつつ、「でも、いずれはフルモデルチェンジした第3世代が出るかもなあ」などと考えているのである。さらには、完全ワイヤレスの「AONIC FREE」という商品も出てきてしまい、ますます悩みは深くなるのであった。

RMCE-TW1の主なスペック:Bluetooth 5.0、周波数帯域2.4GHz、対応コーデックSBC/AAC/aptX、連続再生最大8時間(本体)

RMCE-TW2の主なスペック:Bluetooth 5.0、周波数帯域2.4GHz、対応コーデックSBC/AAC/aptX、連続再生最大8時間(本体)

RMCE-TW2のみ対応している機能:IPX4等級の防水/防塵、ハードウェアEQ(プリセット、またはカスタムEQを作成し、アプリから音質を設定できる)、ステレオコール(通話時の音声がステレオ。RMCE-TW1はモノラル)